京都の大学院生

とあるしがない大学院生の戯れ言。映画のことを中心に、たまに日常で感じたことを書き留めていく。

任侠映画 ドラゴン

ドラゴン(2010)
製作サテライト
主演 松田一三

オールインエンタテイメントの任侠右翼ロマン。
東京のコリアンタウン。支配勢力が定まらず、アオック団、クロック団、そして朝鮮学校出身者が多く所属するベニック団の三つが互いにシノギを削り合っていた。しかし、そこに関西の唐澤組が進出してきてから、勢力の均衡が崩れはじめる。金原という仲間を殺されたベニック団のニコル(与座重理久)は、自分たちもヤクザの力を借りようとクロック団の大力に紹介を頼むが、狂い始めた運命の歯車は誰にも止められないのだった…。
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主人公はクロック団の大力(松田一三)である。前半はベニック団との協力、唐澤組の進攻、そして後半は匿われた右翼団体黒龍会での精神修行と唐澤組への乗り込みである。決して面白いとはハッキリと言えぬ作品であるが、内田良平という実在の人物の名前が出てきたことと、それに連なる黒龍会の任侠観が興味深かった。私も右翼団体に入ってみようかな、と少し大それたことを考えてしまった。実際、ジムの筋トレで根を上げている私に続くわけはないのであるが、私は昔からこういった広く深く包容力のある「思想」といったものにはとても弱いのである。「伝統」とも言うだろうが、一昔前であるならば、喜んでお国のために死んでいったかもしれない。もともと、あまり柔軟に頭が出来ているほうではない。曲がりなりにも24年の人生を生きてきた私の経験が、そう思わせる。だからこそ、何かのフンワリとしたものに包まれているほうが、何も考えずに安心感を得ることが出来るのだ。伝統とは、そんなものだろう。