京都の大学院生

とあるしがない大学院生の戯れ言。映画のことを中心に、たまに日常で感じたことを書き留めていく。

Twitterの可愛いアイコンについて

誰も知らない

Twitterが趣味である。
詳しくいうと、Twitterは趣味であっても、現実の知り合いたちと緩やかに繋がるようなアカウントは運営していない。私は知人とは誰とも繋がらず、ひっそりとTwitterのヘビーユーザーが多く集まる辺りのアカウントたちと、日々いいねを交わしあっている。私がそのような世界に入り浸っているということを、周囲の人間は誰も知らない。これはそのような世界で私がひとつ楽しみにしている趣味の話である。
 私は女の子が好きだ。完全に見返りを求められずにセックスが完遂出来れば、なおのこと最高だ。だが実際にそんなことは起こり得ない。私がいくらインターネット上で取り繕っていても、現実の私は私だからである。それはあり得ぬ夢なのだ。そんな私が、最近楽しみにしていることは、フォロワーの可愛いアイコンのオタクっ子たちとリプライを交わすことである。オタクっ子たちは、流行に流されやすく、そしてアニメキャラクターの女の子たちをアイコンに設定するのである。彼らがキャッキャとはしゃぎながら、TLを縦横無尽に駆ける様は、とても可憐だ。オタクはオタクであっても、インターネットであれば、アイコンの女の子たちが姿形となって、口を開くのである。私はそれがたまらなくいとおしいのだ。女に相手にされない私にとって、オタクたちとの会話が慰めになるのにあまり時間はかからなかった。
 「こんにちは。◯◯くん。可愛いアイコンだね」私は挨拶する。「ありがとう✌️」と、彼らは元気よくリプライを返してくれる。彼らは普通にただ会話をしているだけかもしれない。だが、私は…君たちを愛しているのだ。アイコンの美少女が口を開き、微笑み、私に挨拶をする。私は充足感を覚え、本来満たされなかった願望をそれで満たす。私のこのようなささやかな楽しみを、周囲の知人たちは誰も知らない。私も、知人たちのことを何も知らないし、彼ら美少女アイコンのオタクたちが本当はどんな人間で、何故Twitterにいるのか、何も知らない。